アトピー性皮膚炎に対するMLDの症例

お腹のMLD

症例1 

アトピー性皮膚炎
研究協力者: 女性 独身 年齢42歳
症例研究実施者/リンパドレナージ施術者:ギル佳津江

研究施術開始2012年7月3日 研究施術終了7月26日 全7回
研究終了後も施術は継続し、全14回行った。

研究協力者はスリミング、むくみの改善を主訴として症例研究に協力していただいたが、リンパドレナージの施術によってアトピー性皮膚炎など、主訴以外の症状にも改善が見られたため協力者の承諾を得て報告する。

クライアント背景
子供のころアトピー体質だったが、成人して私生活で大きなストレスを抱えた2007年頃からアトピーが再発、悪化。
現在は、皮膚科の定期受診に加え、鍼灸や漢方薬による治療での体質改善をおこなっている。この何年か前からストレスが減って、最悪の状態は脱しているものの、まだまだ症状がある。

アトピー性皮膚炎の症状
下腿前面、足背、前腕部、手背、手指、腰部、頸部など広範囲に紅斑やかゆみ、皮膚の肥厚があり、色素沈着も部位により起きている。特に首と手首から先の状態が悪い。足のむくみを主訴としているが、目視では、いわゆる普通の下肢のむくみで見られるような足首付近のむくみは顕著ではなく、アトピー性皮膚炎の炎症反応による全体的な腫脹のように見えた。

現在の治療内容
皮膚科通院
2005年から三週間に1回皮膚科に通院し、治療を受けている。

1. マイザー(ステロイドvery strong)を6月末より症状のひどい時、朝晩その部分(手首と足首から先)へ塗布
2. ヒルドイド(保湿剤)0.3%を常用
3. アズノール塗布薬(抗炎症剤)を少しひどいときに使用
4. ジルテック飲み薬(かゆみ、蕁麻疹、花粉症用)を去年の秋より毎晩就寝前に1回服用

その他の症状
1) 不眠 軽い睡眠導入剤を少量常用
漢方薬を一日3回服用

2) 腰痛
鍼灸医院で治療中
2010年11月より、週1回 体質改善や腰痛治療のために鍼灸医院に通院している

MLD施行の判断について
MLDは組織にたまった水分やその他の不要な物質を吸収し、浄化する一方、免疫機能をつかさどるリンパ系の働きを活性すると考えられている。
アレルギー疾患は免疫機能の異常であり、MLDの免疫力賦活作用が問題とならないか、施術開始に先立ち、協力者自ら皮膚科の主治医に確認を取り、施術の許可を得てくれた。
免疫疾患であるアトピーはボッダー式MLDでは禁忌ではなく、相対禁忌に含められている。アトピーへのMLD施行での改善例の症例もある一方、かゆみが増すなどの症例もあり、施行時間や方法などに気をつけ、慎重に対応することで、アトピーの悪化をさせずに、むくみ改善を目指すことが可能であると判断した。症状が悪化するようであれば、施術をとりやめることを前提に計6回の症例研究を行うことにした。

施術記録
1回目 7月3日 18:35~19:25 50分
施術時間:首12分、腹部13分、脚前面25分 初回につき施術は50分にとどめた。

• 施術されている足が軽くなる感覚があった。

• 翌日は身体が軽くなり、足の指や甲、かかとやくるぶし周りの湿疹のむくみがなくなってスッキリした。

• かゆみが軽減してとてもすごしやすく、2~3日は尿に老廃物が出てくる感じがあった。
• 足のむくみも7月5日まで軽減されていた。

2回目 7月6日 17:18~18:28 70分
施術時間:首12分、腹部18分、脚前面40分

• 初回の施術の後、アトピーの悪化や悪い反応は出なかったため、本日は70分行った。
• 脚の湿疹のある部分の赤黒さが引いて、むくみも取れている。ガードルがゆるくなった。

• 施術前にトイレに行ったが、終了直後に多めの排尿があった。

• 寝つきはいつも悪いが、この数日間、精油を嗅ぐと眠れる。以前は精油を嗅いでも眠れなかった。

• この日の施術後、以前傷めてから階段の昇降時に痛かった右膝蓋骨内側あたりの痛みがなくなっていることに気がついた。

3回目 7月8日 11:15~12:25 70分
施術時間:首12分、腹部20分、脚前面38分

• 昨晩、かなり飲んでいる。目がさえてあまり眠れなかった。
• お酒を飲んだ後にはかゆみが増すといいながら、腕を掻いていた。
• 皮膚は前回より乾燥していた。

• 施術後の計測では下肢ではすべてのポイントでサイズダウンしていたが、腹部のみ増加。実際、お腹が充満した感じがするとの事。

• 湿疹ができているところの色が薄くなった。

• MLDをしてもらっていない部位が重く感じる。

• 足首から下の皮膚を掻き壊して潰瘍のようになっている赤い点々のあたりは触らないこととした。

4回目 7月10日 17:40~19:00 80分
施術時間:首13分、腹部18分、左腕15分、脚前面34分

• ステロイドのマイザーは今も毎日手の甲や足指などに塗っている。保湿クリームのヒルドイドも使用。薬は顔には使用していないが、現在は顔に湿疹はない。
• 身体全体が軽く、起床時の足のむくみが軽減しており、靴がゆるい。
• 通常は眠りが浅く夢を良く見るが、この二日間は深く眠って夢を見ない。
• 寝起きが良く、さっと起きることができ、朝の重い感じもなくなってきた。
• 見た目にも赤い潰瘍の赤みが薄くなり、生々しい感じが減少。

• 正常な肌の部分が増し、かゆみは1回目から少しずつ軽減している。
• 前回、施術していない両腕が重く感じたとのこと。試しに左腕のみ施術してみると、左手を握ったときのむくんだ感覚が減少、手の甲の赤みも少し軽減している。

5回目 7月12日 16:25~17:55 90分
施術時間:首15分、腹部10分、腕25分、脚前面40分

• 湿気のある季節はかゆみがひどくなるが、梅雨にもかかわらず、だいぶましになっている。
• 前回施術した手のかゆみと関節の腫れが、いままでは押すと痛かったのが、緩和されている。

• 施術中は良く眠っていた。

• 施術直後はだるかったが、帰る前には身体は軽くなった。

6回目 7月17日 15:25~16:55 90分
時間:首15分、腹部10分、腕25分、脚前面40分

• 15日に月経が始まったが、通常、一週間前くらいから皮膚のかゆみ、腰痛、PMSが始まるが、今回はほとんどそれがなかった。
• 身体が軽く、お酒を飲んでも翌日のむくみが気にならない。

• 全身のアトピーのかゆみが軽減、以前は頭皮をかさぶたが出来るほど掻き壊していたが、今はなくなっている。

• 乾燥も気にならなくなって、保湿クリームを塗る回数が減った。7月9日に皮膚科に行ったが、調子が良いので、次回の受診は8月11日となった。通常は3週間に一回。

• ステロイドは手首あたりから先と、膝下に相変わらず塗っているが、今まではそれでも症状が治まらなかったが、初回と比べてアトピーの状態は明らかに改善している。

7回目 7月26日 16:45~18:05 80分
施術時間:首18分、腹部15分、脚前面45分

• 手の甲の色素沈着や指関節の腫脹などが目に見えて軽減しており、その他の皮膚の状態も良くなって、過ごしやすさが続いている。

• 汗がさらさらして、今までのように汗を掻くとかゆくなることがない。

• ジルテック(飲み薬)が先週末に切れてしまったが、それほど悪化はない。

まとめ
7回の施術を通じて、協力者のアトピー性皮膚炎に明らかな改善が見られた。皮膚科から処方されている薬をいままで継続して使用し、通院を続けてきたにもかかわらず出ていた皮膚の症状が、MLDの研究施術期間中に明らかな変化を見せた。

また、興味深い点としては、直接施術を行った腹部の皮膚の色素沈着が薄くなったばかりではなく、まったく触れていない腰部に出ていた紅斑が改善していたことである。すべてのリンパ管は、合流して左右の静脈角に注ぎ込んでいるので、体の中ではリンパ管はつながっているということである。
たとえば、今回の場合は、腸骨稜の高さまでの腰部の皮膚のリンパを輸送するリンパ管は、いったん上行し、腸骨稜を超えて腹部の前面を下行して、下腹部皮膚のリンパ管と合流し、同じ浅部鼠径リンパ節に注ぎ込む。腹部の施術を行うことで、鼠径リンパ節前リンパ管の運動が促進され、直接触れていない腰部のリンパ管の間質液吸収とリンパの輸送能力が上がったと推測される。

研究協力者はアトピーのほかに、睡眠障害があったが、MLD施術中はよく眠り、家での睡眠の質も改善されたことは、ボッダー式MLDのリラックス効果、交感神経の鎮静作用を確認するものとなった。
また、これは、推測にすぎないが、アレルギー反応で放出されるヒスタミンは覚せい作用に働く。よって抗ヒスタミン薬は眠気を及ぼすと考えられているが、今回、MLDのソフトでゆったりとした手技の鎮静作用ばかりではなく、アレルギー反応そのものが抑制されてきたことにより、ヒスタミンの放出が減少して睡眠の質が向上したという可能性も考えられる。

腹部初回

腹部初回

腹部6回終了後

腹部6回終了後

背中初回

背中初回

背中 6回終了後

背中 6回終了後

脚初回

脚初回

脚6回終了後

脚6回終了後

脚14回目

脚14回目

 

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